菊地穂波

合コンに行くからと孫娘に小遣いをねだられた祖父は、自分の青年時代の合コンの様子を語りはじめる。それはどうやら戦争中のことらしく、すべての日本国民が命をかけている戦時下に、合コンなど開いてはしゃいでいていいのか、という少女の疑問から、かけがえのない大切な答えが転がり出てくるハイスビードコメディ。

登場人物　　男３人　女２人　４００字詰め原稿用紙換算約４５枚

とある企業が設けた超能力研究所。
発足から閉鎖にいたるまでに展開する人間模様を点描する。
一幕三場すべて金曜日の定点観測だ。
会話はコミカルで、スピード感があるものの、
人物の背景には何やら鬱屈した重苦しいものが垣間見え隠れする。
金曜日。仕事が終わって、明日の休日は、やすらぎの時なのか、むしろ苦悩の時間なのか。生きるのはほんとうに難しすぎる。

登場人物　　男六人　女五人　４００字詰め原稿用紙換算約２４０枚

日本中の人間が、ゾンビか、あるいはゾンビになりかかっているものだけになってしまった近未来。
あきらとポポちゃんとかおりは、去年も一緒に見た花火大会の河原に来ている。
三人ともすでにゾンビに噛みつかれているらしいが、完全にゾンビ化するまでの数時間を、屈託もない、明るい会話を交わしているのがなんとも不思議だ。
ゾンビ化したら、「私」はどこへ行ってしまうのか、という印象的な疑問を残しつつ物語はしなやかに展開してゆく。

登場人物　　男三人　女三人　４００字詰め原稿用紙換算約６０枚